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Ka Makani kāʻili Aloha

Ka Makani kāʻili Aloha

by Matthew H. Kāne

歌のタイトルでもある「愛を奪いさる風」って、「一体どんな風だよ??? よっぽどの強風だなっ!」って感じですが、この歌には、キパフル(マウイ島)に住むある男性の妻が、オアフ島から来た男性に恋してしまい、妻に去られたときのエピソードが含みとしてあるようです。

爽やかなメロディからは、想像できなかった歌詞の意味に私的にとってもビックリした曲の一つでもあります。

E aloha aʻe ana nō au
I ka makani kaulana o ka ʻāina
Aʻu e hoʻoheno nei
Ka makani kāʻili aloha

私はとても好きなんです
あの有名な風が吹くこの土地が
私にとってここはとても大切な場所
愛を奪いさるの風が吹くところ

愛を奪い去る風の吹く土地だけれども、妻と過ごしていたその土地がとても好きなんですね。
どんなことが起こった場所であっても変わらず自分にとっては大切な場所なのでしょう。

*Kuʻu pua, kuʻu lei, kuʻu milimili ē
Kuʻu lei kau i ka wēkiu

A he milimili ʻoe a he hiwahiwa naʻu
A he lei mau no kuʻu kino

*私の花、愛しいレイ、大事なひと
 そのレイが一番大事なもの

 大切なあなた、心から愛しむ大切な人
 そのレイを私の体に寄り添って
     (いつまでも側にいて)

こんなにも、何度も「愛しい」、「大事な」と出てくるので、この男性はよほど妻を愛していたのでしょう。

他の男性に恋して自分の元を去ってしまったのにもかかわらず、戻ってきて、寄り添って居て欲しいほど恋い焦がれている。そんなにも愛される妻はどんなに魅力的な女性だったのでしょうね。

I aloha ʻia nō ia home
Ia home luakaha a ka malihini
Aʻu i noho ai a kupa
Ka makani kāʻili aloha

*hui

愛しいわが家(愛されている家)
訪れる人にも楽しく居心地の良い家
私が長い間、過ごした場所
愛を奪いさるイタズラな風が吹く

長い間自分が過ごしたわが家は、訪れる人にとっても楽しく居心地の良い家であり、皆に愛される場所であったということなのでしょう。
そんなに居心地も良く、大切な愛しいわが家なんだけれども、、、、愛を奪いさる風が吹くわけなので、ここは「イタズラな風」と訳してみました。



妻が、オアフ島へ男性を追って行ってしまったわけですが、彼は妻を心から愛していたので、とっても辛く悲しい思いをカフナ(※1)に相談をします。

男性の切実な思いを受けて、カフナはイプの中に愛が戻るよう、祈りの言葉と霊薬を閉じ込めて、マウイ島からオアフ島へ向けて海に流します。

そのイプがオアフ島へ流れついたころ、何かに駆り立てられるようにリポアを取りに海辺に出かけた妻がそのイプを見つけ、手に取り中を開けた瞬間、風に包まれたようになりマウイ島の夫のことを思い出して「マウイ島に帰らなければ」という思いが湧き上がって彼の元に戻ったそうです。

オアフ島の妻の元にイプが届くまでの間、カフナは彼にいくつかのkapu(禁忌)を与え、それらを必ず守るようにさせたようです。

(※1)カフナ(Kahuna/神官、僧職や病を癒したり、呪術を操ったりする。家系、ルーツにより其々、専門分野が分かれる。それらの総称)



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